同窓会について

会長挨拶

熊本大学薬学部同窓会 会長 入江 徹美
熊本大学薬学部同窓会 会長
入江 徹美

 大江キャンパスの桜は例年よりも早く満開の時季を迎えました。昨年は、新型コロナウイルス感染防止のため実施できなかった卒業・修了者学位記伝達式が、規模は縮小されましたが、卒業生や修了生にとって想い出に残る形で令和3年3月25日(木)に挙行されました。4月4日に、薬学部入部式が感染防止対策を行いface-to-faceで実施され、新年度がスタートしました。この会報が皆様のお手元に届く頃(6月末)は、梅雨の晴れ間にのぞく青空がまぶしく、夏を感じる季節になっていることと思います。

 この度、田中正比古会長の後任として令和3年4月1日より熊薬同窓会長を務めることになりました。会員の皆様方のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。熊薬は長い歴史の中で、多くの同窓生を輩出し、同窓生が様々な現場で活躍しています。先輩同窓生が後輩を大事にする伝統があります。後輩が困難な状況に直面した時に、干天の慈雨のように、優しい言葉をかけてくださる先輩がいます。いざという時に、互いに助け合う、熊薬同窓会は"ファミリー"です。昨年度は、同窓会として熊薬創立135周年記念事業を後援し、同窓生の皆様から多額の浄財をお寄せ頂き、心より御礼申し上げます。同窓会は、過去に想いを馳せる会であり、今を楽しむ会であり、未来を語らう会です。コロナ禍の今だからこそ、そのような縦と横の"絆"の大切を皆様も感じておられることと思います。

 現在、コロナ禍における未曾有の擾乱や制限の中で、人の密度や接触時間を最小化することが求められるため、同窓会の活動も多大な制限を余儀なくされています。このような状況の中で、同窓会の活動を維持あるいは活性化する方策の一つとして、オンタイム・オンデマンド型の遠隔コミュニケーションシステムの導入が考えられます。薬学部のホームページに、バーチャル・オープンキャンパス用動画が掲載されています。特に、「地上から見る熊薬」、「空から見る熊薬」は、甲斐広文前薬学部長の肝いりの作品です。遠隔コミュニケーションシステムの普及は、私達に行動変容をもたらしました。物理的距離を感じさせないリモートシステムは、新たな可能性を秘めています。それらが十全に機能したとして、それでも残るもの、補えないものは何か。今後の同窓会のあり方について、従来のやり方が出来ないから"やらない"ではなく、今だからこそ"やれる"方策を同窓生の皆様と一緒に考えていきたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症の終息(収束)が見通せない中、世の中がどのように揺れ動こうと、大江キャンパスの楠の大樹は、その年輪を着実に重ねています。私が薬学部に入学した当時(昭和49年)の写真と見比べると、47年余の年月の楠の成長を実感します。揺るがない自然の営みに、逞しい生命力を感じます。熊薬同窓会も、会員の皆様の創意工夫と"ファミリー"としての熱い思いを基盤として、森岡弘志薬学部長との直結した協力体制のもと、柔軟でレジリエントな会を目指したいと思います。 最後になりましたが、会員の皆様のご健康とご活躍を祈念申し上げまして、熊薬同窓会会長就任のご挨拶といたします。